7/13/2010

新着論文紹介(2010/7/6)

Science 2 July 2010 , volume 329

1. A Giant Planet Imaged in the Disk of the Young Star
A.-M. Lagrange, M. Bonnefoy, G. Chauvin, D. Apai, D. Ehrenreich, A. Boccaletti,D. Gratadour, D. Rouan, D. Mouillet, S. Lacour, M. Kasper
DOI: 10.1126/science.1187187
 赤外線天文学の研究を通して、画架座のベータ星の周り約815天文単位の位置に巨大なガス惑星が存在していることが分かった。これまでも恒星の周りに惑星が存在することが赤外線天文学から確認されているが、今回発見されたこの惑星はこれまでのもので最も恒星の近くの軌道をまわっており、その周期は17年以内である可能性が考えられる。

2. Graphite in an Apollo 17 Impact Melt Breccia
A. Steele, F. M. McCubbin, M. Fries, M. Glamoclija, L. Kater, H. Nekvasil
DOI: 10.1126/science.1190541
 アポロ17号の衝突によりできた礫岩のメルト中のグラファイトの結晶とグラファイトのひげ上の結晶は、分離可能であることが分かった。これらの結晶は衝撃による高温下で生成されることから、太陽系形成期における惑星形成メカニズムなどに制約を加えるのに役立つ可能性が考えられる。

Nature 1 July 2010 volume 466

3. Ecosystem response to elevated CO2 levels limited by nitrogen-induced plant species shift
J. Adam Langley & J. Patrick Megonigal
doi:10.1038/nature09176
 二酸化炭素の量変化と土壌窒素の量変化には関係があると考えられていることから、その関係を明らかにするために大気中の二酸化酸素の量と土壌窒素の量をコントロールして、どのような関係があるのかを調べた。

4. Large colonial organisms with coordinated growth in oxygenated environments 2.1 Gyr ago
Abderrazak El Albani, Stefan Bengtson, Donald E. Canfield, Andrey Bekker, Roberto Macchiarelli, Arnaud Mazurier, Emma U. Hammarlund, Philippe Boulvais, Jean-Jacques Dupuy, Claude Fontaine, Franz T. Fu¨rsich, Franc¸ois Gauthier-Lafaye, Philippe Janvier, Emmanuelle Javaux, Frantz Ossa Ossa, Anne-Catherine Pierson-Wickmann, Armelle Riboulleau, Paul Sardini, Daniel Vachard, Martin Whitehouse & Alain Meunier1
doi:10.1038/nature09166
 21億年前の頁岩(泥や粘度鉱物からなる堆積物)から酸素に富んだ環境で堆積したと考えられる有機物が発見された。大気酸素が増加したのが23.2〜24.5億年前であると考えると、この頁岩が発見されたガボンの土壌は古代の代表的な多細胞生物の生態を明らかにする手がかりになり得るかもしれない。