6/02/2012

IODPプロポーザル審査委員会@エジンバラ、スコットランド


先日、IODPのプロポーザル審査委員会(Proposal Evaluation Panel: PEP)がスコットランドの”首都”であるエジンバラで開催され、横山先生が参加されました。
会議は3日間みっちり、朝から夜まで白熱した議論がつづき、かなりお疲れになられたそうです。

イギリス・オクスフォード大には以前ポスドクで私たちのグループのメンバーだったJon Tylerがいますが、彼から「今年のイギリスは例年になく寒い」という情報を聞いていたものの、日本では半袖の陽気だったため、半信半疑で冬用の防寒グッズを準備して行ったところ、連日の風雨と最高気温9度の寒さにとても驚いたそうです!

エジンバラの市街地は世界遺産にもなっているため、昔ながらの町並みを残しているそうです。

有名な"国富論”のアダムスミス像に出くわしたりもします。エジンバラ城では、12世紀に作られたチャペルがあったりと、テクトニックに安定な地域なのだと実感されたそうです。
12世紀に建てられた教会
スコットランドの正装「キルト」を着た男性。


会議の前日には、PEP委員長のエジンバラ大学のD. Kroon教授の案内で、”地球科学発祥の地”ともいえる海辺の露頭に巡検に行ったそうです。

ダーウィンも見学に来たというその露頭は、最終氷期に存在した氷床の融解に伴う、氷河性地殻変動による隆起のため、急な崖を下りてたどりつかなければなりませんが、綺麗な不整合が露出しています。



”地質学の父”と呼ばれるジェームス・ハットンによるその露頭の発見と解釈により、地球は当時考えられていた(聖書に基づく)6千年ほどの若い年代ではなく、もっと古い年代をもち、ゆっくりとしかしダイナミックに変化しているという考え方が生まれました。
まさしくこの地質学的時間感覚が認識されたことにより、ダーウィンの進化論にも大きな影響を与えたと言われているそうです。