4/30/2009

‘みらい’航海〜その7・コアを切りつつ、




堆積物コアも無事採れ、フィヨルドの絶景も楽しみ(後記)、もう思い残すことはない、と思いきや、室内作業の本番はこれからです。採れたての長〜いピストンコア数本を約2cm間隔で切り分けていくという長〜い作業が始まるわけです。この作業は、コアを切りつつ、よろづのことに使用する予定の研究者全員で力を合わせて行いました。全ての切り分けが終了するまで、数日を要しました。

作業風景は、見回りにやってきた船員さんに「(あんこを練る)和菓子作りみたいだ」という感想をいただくような感じでした。個人的に、泥の切り分けはそれなりに楽しかったです。

実際に船の中であんこを練る和菓子職人がいたらシュールレアリスム的だな〜と思いながらコアをひたすら切っていました。

写真:(上)隙間なく、キューブさし、(中)みなさん作業中、(下)コア切り人 (Photo by Moto)

‘みらい’航海〜その6・ピストンコア




既に紹介のマルチプルコアの他に、数十mのコアを採るピストンコア(この場合は一度に1本)があります。ピストンコアの仕掛けには甚く関心いたしました。さらに、船員さん、マリンワークさんらのお仕事っぷりにも感動しました。

写真:(上)心臓の弁のように賢いコアの先端、(中)ピストンコア、海へ(下)風に煽れるコア

‘みらい’航海〜その5・マルチプルコア採り




さ〜ぁ、いよいよ海底堆積物の採取です。堆積物コアの採り方では、表層部分(約40cm)を一度に数本(多くて8本)採るマルチプルコアがあります。この作業は通常毎日朝6時半〜7時頃にスタートします。海中から引き上げたコア(筒)の中にガッツリ採れた堆積物が入っているのをみると何だか感動的でした。

 写真:(上)夜明け前のマルチプルコア投入、(中)マルチプルコア、堆積物と無事帰還、(下)海底表層堆積物

 

4/22/2009

‘みらい’航海〜その4・真夜中のサイトサーベイ



堆積物をどこでとるか、航海の前に予め候補を挙げておきますが、よりよいポイントで取るために、サイトサーベイを行います。昼間はデッキにてのコア採りがメニューなので、基本的にサイトサーベイは夜中にやります。
堆積物がよりたまっていて、固すぎず、軟らかすぎずのベストsedimentを得るために、海底にビームをあてて、その反射強度の相対値でおおよそ検討をつける訳です。
皆でこっちの方がよい、いやあっちの方がよいなど意見を出し合い、採取地点を絞っていきます。
ちなみに、サイトサーベイを行う部屋は、船の先頭の一番上階にあるので、非常に揺れます。かつ、船をグルグル回して海底調査をするので、昼間より揺れが倍増する時もあります。

写真:(上)モニター越しに堆積物を探る技術者の方々 (下)意見の交換中

4/15/2009

‘みらい’航海〜その3・船上生活で欠かせぬもの


‘みらい’は大きな船で、生活環境も大変整っていますが、やはり船上。
危険はつきものです。航海の始めに、必ず避難訓練が行われます。船員さん、マリンワークさん(観測技術員)、研究者、乗船者全員で行います。
我々は、船員さんの指示に従い行動しました。内容は、ライフジャケットの着方など基本的なことから、船を捨てて海に逃げる(小型船で)練習をしました。
船員さんらの完璧なチームワークは、まるでドラマのようでした。

写真:拍手喝采を浴びる1分前、船員さんが小型船を海へと誘導(黄色のヘルメットが船員さん)

‘みらい’航海〜その2・翌日


夜中じゅう、南へ南へと船が外洋を走り抜け。
初めての揺れを経験し、動揺して酔い止めを飲み、気を紛らわせて何とか朝を迎えることができました。
朝食後、作業を開始する前に毎日ラジオ体操第1か第2を行います。
今日から観測スタートです。
(堆積物コアをとったり、水を採取したりすることを観測といいます。)

写真:デッキにてマリンワーカーズとラジオ体操で気合い入れ

‘みらい’航海〜その1・出航


3月12日から一ヶ月、JAMSTEC船‘みらい’に乗って南米チリ沖の海底堆積物コアを採取しに行ってきました。今回は、原田尚美(JAMSTEC)主席研究員の航海に同行させていただきました。
チリの真ん中あたりの町バルパライソを出港し、南米大陸の南端、ドレーク海峡まで行きました。
これから数回にわたって、航海の様子を報告していきたいと思います。

バルパライソは、チリの海運の窓口になっている港町で、ちょうど我々が到着した時期は、果物の出荷時期に重なり船が渋滞状態でした。そのため、出港日を前倒しし、出発しました。
いよいよ未知の航海が始まります。

写真:さらばバルパライソ