GRL
1. Reduction of spring warming over East Asia associated with vegetation feedback: Su-Jong Jeong et al., 2009. GEOPHYSICAL RESEARCH LETTERS, VOL. 36, L18705.
アジア東部において、分析期間(1982-2000年)で、冬後半から春への気温上昇の減少が、植生緑化の増加と対照的であることがわかった。植生-蒸散のフィードバックが温暖期での季節的な非対称性をもたらしているのかもしれない。
2. Abrupt mid-Holocene onset of centennial-scale climate variability on the Peru-Chile Margin: Chazen et al., 2009. GEOPHYSICAL RESEARCH LETTERS, VOL. 36, L18704.
ペルー・チリ沖のSSTなどの復元から、典型的なエルニーニョ、ラニーニャとの関連を示さない100年スケールの振動がみられた。Super-ENSO変化の重要な一部が、熱帯域外で生じているのかもしれない。
3. An updated Antarctic melt record through 2009 and its linkages to high-latitude and tropical climate variability: Tedesco et al., 2009. GEOPHYSICAL RESEARCH LETTERS, VOL. 36, L18502.
30年分の南極融雪記録から、南半球夏の融解とENSOおよびSAMとの間には、局地的、また陸スケールで、負の相関があることがわかった。この結果は、成層圏のオゾンレベルが回復すると同時に夏のSAMの正のトレンドがおさまるようなときに、融雪の強化が起こりやすいことが示唆された。
JGR
4. Increase CO2 uptake due to sea ice growth and decay in the Nordic Seas:
Rysgaard et al., 2009. J. Geophys. Res., 114, C09011.
北極海50地点で、溶存有機炭素は海氷の成長から海水ともに押しのけられ、夏に融解する海氷は、炭酸塩に富んでいるという証拠を報告。モデル計算によると、北極海からグリーンランド海流、ノルディック海へ運ばれる海氷の融解(水)は、表層のCO2分圧や季節的なCO2 uptake の増加に重要な役目をになっていることが示された。
Palaeo3
5. Vol. 281, Issue 3-4, p175-376 南米気候特集:低緯度から高緯度まで網羅している。
現在の南米気候、アンデスアイスコア、アンデス(熱帯または熱帯外)の氷河の変動、アンデスに生息する木(年輪)を使ったENSO復元 などいろいろ。