Science 2009 10/2, vol.326 No.5949
Rapid Resurgence of Marine Productivity After the Cretaceous-Paleogene Mass Extinction
J.Sepulveda, J.E.Wendler, R.E.Summons, K.U.Hinrichs
C-P境界の大量絶滅後の回復の過程は、化石記録の少なさからも議論の余地が大きかった。Fish Clayの炭素や窒素同位体、藻類などの高解像度記録から、藻類の主要生産は1世紀に満たない短期間に著しく低下したが、絶滅イベント後に炭素固定と生態系の再構成が急速に進んだことが判明した。
Nature 2009 9/10, vol.461 No.7261
PNAS 2009 9/29
Geology 2009 October
Stable isotope signals from brines in the Barents Sea: Implications for brine formation during the last glaciations
T.L.Rasmussen and E.Thomsen
海水は千年スケールの気候変動において大きな役割を果たしていると考えられてきた。だが現在の海水の同位体組成については明らかになっていない点が多く、過去のデータの考察の妨げになっている。バレンツ海の底生有孔虫の分析結果から、海水が千年スケールの気候変動にはっきりした影響は与えていないことがわかった。
A major drop in seawater 87Sr/86Sr during the Middle Ordovician (Darriwilian): Links to volcanism and climate?
S.A.Young, M.R.Saltzman, K.A.Foland, J.S.Linder and L.R.Kump
オルドビス期中期に海水の87Sr/86Srは急激に下がっている。モデル計算から、Katian中期には火山活動によるガス放出と風化のCO2消費がバランスしていたが、Katian末期にはガス放出が減少し、オルドビス末期の氷床化へとつながったとわかった。
Nature geoscience 2009 October
A microbial source of phosphonates in oligotrophic marine systems
S.T.Dyhrman, C.R.Benitez-Nelson, E.D.Orchard, S.T.Haley and P.J.Pellechia
ホスホン酸は窒素固定やメタン生産の変化を支えるが、シアノバクテリアが海洋でのその主要な生産源とわかった。
News and Views
Tectonics: Antarctica sinking
M.Studinger and P. Barrett
数百万年スケールでの西南極氷床の上昇と沈降について